認知症の家族を介護されている方、毎日本当にお疲れ様です。
認知症の方の介護は、本人の症状の進行と共に、様々な悩みや不安が生まれてくるものです。
特に、
- 徘徊
- 物忘れ
- 暴言
などの行動や言動の変化に、戸惑い、精神的にも肉体的にも大きな負担を感じることは少なくありません。
- 「どう対応すれば良いかわからない」
- 「いつまで続けられるだろうか」
と不安を抱えていませんか?
この記事は、そんなあなたのために、認知症介護で感じる様々な悩みの原因を理解し、解決策を見つけるための情報を紹介します。
一人で抱え込まず、周囲のサポートをうまく活用して、心身ともに安心して介護を続けられるよう、ぜひ最後までご覧ください。
認知症の介護でよくある悩み
認知症の介護は、身体的・精神的な負担が大きく、さまざまな悩みが生まれます。
特に、認知症ならではの症状からくる悩みは多岐にわたります。
精神面で感じる苦労と悩み
- コミュニケーションが難しい: 認知症が進むと、話が通じにくくなったり、何度も同じ話を繰り返したりします。何を言っても理解してもらえない、自分の気持ちを分かってもらえないと感じることで、孤独感や虚しさを感じることがあります。
- 行動の変化への戸惑い: 暴言や暴力、徘徊、幻覚、妄想など、予期せぬ行動にどう対応すればいいか分からず、戸惑いやストレスが溜まります。以前の穏やかだった本人とのギャップに、悲しみや怒りを感じることも少なくありません。
- 将来への不安: 認知症は進行性の病気であるため、「この先、症状はどうなるのだろう」「いつまで在宅で介護できるのだろう」といった、先の見えない不安を抱えがちです。
身体面で感じる負担と悩み
- 身体的な介助の負担: トイレの介助や入浴介助、食事のサポートなど、身体的な介護は大きな負担となります。特に、介護拒否や抵抗があると、さらに難しさが増します。
- 睡眠不足: 夜間の徘徊や大きな声で叫ぶなどの症状があると、介護者は十分な睡眠をとることができず、慢性的な睡眠不足に陥ります。
認知症の介護疲れの症状
介護の悩みや負担が積み重なると、心身にさまざまな「介護疲れ」の症状が現れます。
これらのサインを見逃さず、早めに対策を講じることが重要です。
身体に現れる症状
- 慢性的な疲労感: 毎日の介護に追われます。何もしなくても体が重く感じる、常にだるいといった状態が続きます。
- 不眠: 夜間の介護による睡眠不足に加え、介護への不安から寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
- 食欲不振: ストレスが原因で食事が喉を通らなくなる、または過食に走るといった、食生活の乱れが起こります。
- 頭痛や肩こり: 精神的な緊張状態が続くことで、頭痛や肩こり、胃痛など、身体的な不調として現れることがあります。
精神面に現れる症状
- イライラ、怒りっぽくなる: 些細なことでイライラしたり、本人や周囲の人に怒りをぶつけてしまったりすることが増えます。
- 無気力、引きこもり: 趣味や友人との交流など、以前は楽しめていたことに関心がなくなり、外出を億劫に感じるようになります。
- 憂鬱、気分が落ち込む: 介護の負担から、何もかもが嫌になったり、気分が落ち込んで何も手につかない状態になります。これは、うつ病へと進行するリスクもあります。
- 自己嫌悪: 本人に優しく接することができない自分を責めたり、「自分はダメな介護者だ」と自己嫌悪に陥ったりします。
これらの症状に気づいたら、一人で抱え込まず、地域包括支援センターや専門家、あるいは同じ境遇の仲間がいる介護家族の会などに相談して、支援を求めることが大切です。
認知症の介護で生じる心と体の変化
認知症の介護では、さまざまな悩みやストレスが生まれてきます。
その原因を理解することが、解決への第一歩となります。
介護疲れやストレスを感じるのはなぜ?
介護疲れは、認知症の介護者が心身ともに疲れてしまうことです。
本人の状態に合わせて自分の生活をすべて変える必要があります。
睡眠不足や体調不良につながることもあります。
特に夜間の徘徊や同じことを繰り返し言われる対応は、精神的な負担を大きくします。
認知症の人の行動や言動に対する理解が難しいです。
イライラしてしまうことがあります。
- 以前の本人とは違う言動に接し、悲しい気持ちになった
- どうして自分がこんなことをしなければならないのか
こんな風に思ってしまうこともあります。
家族だからこそ感じる「もっとうまくやらなきゃ」という気持ちがストレスを溜めてしまう原因となります。
日常生活の介護方法に悩んだら
認知症の方への適切な介護方法がわからないという悩みは非常に多いです。
- 「どう接すれば良い?」
- 「食事やトイレの介助はどう行う?」
など、日常生活のあらゆる場面で悩みは尽きません。
専門家のアドバイスを受けることが重要です。

悩みを解決するための公的サービスと施設
一人で抱え込まずに、周囲の支援を活用することが介護を続けるための良い大切なポイントです。
まずは専門家への相談を検討しよう
悩みや不安を相談できる場所を知ることは非常に重要です。
まず、お住まいの地域にある「地域包括支援センター」に相談してみましょう。
専門家が適切なアドバイスをくれます。
- 地域包括支援センター: 地域に住む高齢者の暮らしをサポートする総合的な相談窓口です。専門の職員が介護の悩みや不安の解消に向けた支援を提供しています。
介護保険制度の仕組みと活用方法
介護保険制度は、認知症の方の生活を支える大切な仕組みです。
要介護認定を受けることで、さまざまなサービスを利用することが可能になります。
- 介護保険制度: 40歳以上の方が加入します。介護が必要になった際にサービスを利用できる制度です。市区町村の窓口で申請ができます。詳しくは以下のサイトも参考にしてください。
- 厚生労働省 介護保険制度の概要: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html
- WAM NET 介護保険情報: https://www.wam.go.jp/kaigo/

施設への入居も選択肢に入れてみませんか
在宅での介護が難しくなってきた場合は、施設への入居も一つの選択肢です。施設にはさまざまな種類があり、認知症の方に特化した施設もあります。
- 特別養護老人ホーム: 要介護度が高い方が入所できる公的な施設です。費用が比較的安いため、入居まで時間がかかることがあります。
- 介護老人保健施設: 在宅復帰を目的としたリハビリを行う施設です。
- グループホーム: 認知症と診断された方が少人数で共同生活を送る住まいです。家庭的な雰囲気の中で暮らしを続けることが可能です。
認知症の方におすすめのレクリエーション
介護施設では、認知症の進行を遅らせる目的でレクリエーションを多く行っています
- 音楽
- 体操
- 塗り絵
などさまざまな活動があります。
楽しく参加することで、気分転換や脳の活性化に繋がります。
懐かしい景色や場所の映像を見ることで、記憶を刺激し、本人との会話も弾むでしょう。
介護にかかる費用と助成金
在宅でも施設でも、認知症の介護には費用がかかります。
- 介護保険の自己負担分
- 施設の利用料
- おむつなどの日用品費
も考慮する必要があります。
事前にケアマネジャーに相談し、計画的に費用を考えることが大切です
介護者自身の心を休ませる方法
認知症の介護は精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
介護者自身の心のケアを怠らないことが非常に重要です。
家族の会に参加して悩みを分かち合う
同じ悩みを持つ人と話すことで、気持ちが軽くなることが多くあります。
「家族介護の会」や認知症カフェなど、同じ境遇の人たちが集まる会に参加してみましょう。
相談相手がいるだけで、不安や孤立感は減らせます。
専門家への相談をためらわないで
悩みが解決できない時は、一人で抱え込まず、以下の専門家に相談してみるのも良い方法です。
- かかりつけ医: 本人の病気の進行や症状に関する相談ができます。
- ケアマネジャー: 介護保険サービスの計画を立てる際に相談できます。
- 精神科医: 介護者自身の精神的な不調について相談できます。
- 介護施設の相談員: 施設の情報や入居に関する相談ができます。
認知症の症状を理解し向き合う
認知症の方の行動や言動の理由がわからないとき、どう対応すれば良いか難しく感じるかもしれません。
本人の状態を理解することで、介護が少しでも楽になることがあります。
認知症の行動には意味がある
認知症の方の行動には、本人なりの理由があります。
例えば、徘徊は何かを探している行動かもしれませんし、暴言は不安やストレスを感じているサインかもしれません。
怒るのではなく、
- 「どうしたのですか?」
- 「何か探し物ですか?」
と優しく声をかけることで、本人の不安を和らげることができます。
専門の知識を知ることはとても大切です。

認知症の早期発見と予防法
認知症は早期に発見し、適切に対応することで進行を遅らせることが可能です。
兆候を見逃さず、早めに相談を
「もの忘れが増えた」「以前と言動が違う」などの兆候に気づくことが大切です。
もし家族にそれらしい様子が見られたら、早めに専門医に相談し、診断を受けることをおすすめします。
- もの忘れ外来: 専門医が認知症の診断と治療を行います。
- かかりつけ医: まずはかかりつけ医に相談し、専門医を紹介してもらう方法もあります。
日常生活でできる認知症予防
認知症の予防には、脳を活性化させる生活を続けることが有効です。
- 適度な運動: 散歩や体操など、軽い運動を毎日行うことで、脳への血流を良くします。
- バランスの良い食事: 栄養バランスを考えた食事は体の健康にとって重要です。
- 趣味や社会参加: 趣味を持ったり、地域の会に参加したりして、他人との交流を持つことが大切です。

認知症の介護でお困りの方へ
認知症の介護は、誰にとっても大変なことです。
一人ですべてを抱え込まず、地域の支援や専門のサービスをうまく活用することが何より大切です。
悩みや不安を感じたら、気軽に相談してみましょう。
あなたの心の健康を保つことが、結果として良い介護に繋がります。
山口県内で認知症の介護について相談できる施設や窓口をいくつかご紹介します。
地域包括支援センター
お住まいの地域を担当する「地域包括支援センター」は、介護や福祉に関する総合的な相談窓口です。
介護の悩みや不安、介護保険の申請など、専門職員に無料で相談できます。
- 山口市中央地域包括支援センター: 〒753-0061 山口県山口市朝倉町5−4 養護老人ホーム福寿園
- 電話番号: 083-934-3338
- 山口市川西地域包括支援センター: 〒754-0002 山口県山口市小郡下郷609−5 保健福祉センター
- 電話番号: 083-976-5711
- 山口市北東地域包括支援センター: 〒753-0221 山口県山口市大内矢田5丁目12−365−1
- 電話番号: 083-941-6672
その他の相談窓口
- 山口県福祉総合相談支援センター: 〒753-0814 山口県山口市吉敷下東4丁目17−1
- 電話番号: 083-901-2940
- 認知症の人と家族の会 山口県支部: 〒753-0813 山口県山口市吉敷中東1丁目1−2 ハートアイランド山口
- 電話番号: 083-925-3731
- 山口市役所: 〒753-0089 山口県山口市亀山町2−1
- 電話番号: 083-922-4111
お住まいの地域によっては、他の地域包括支援センターや役場の窓口もあります。まずは最寄りの窓口に連絡して相談することをおすすめします。
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